最近見た映画 1-あの日のように抱きしめて

今回は最近見た映画についてです。


休みの日を決めるときは用事があるときなんですが、用事がないままの休みがあるわけで・・・。


先日、渋谷のBunkamuraで現在展覧会中の「風景画の誕生」を見に行くことにしました。
これはこれでまた機会があればブログを書きます。


そんなわけで意気揚々とBunkamuraに出かけた私ですが・・・。
Bunkamuraが併設されている東急の建物をふっと見たら今月初旬から気になっていた映画「あの日のように抱きしめて」の垂れ幕(?)が!!


もう展覧会が主たる目的だったのに、映画がその日のメインイベントになってしまいました。


「あの日のように抱きしめて」はドイツの2014年の映画で、アウシュヴィッツの強制収容所から生還した妻と再会したけれど妻と気がつかない夫のサスペンス的切ない話。


エンディングは圧倒的で、後で思い起こしたのは宮部みゆきの「火車」と同じようなスタイル。


理想の女を追求する男、そんなレビューもありましたが、私の視点では過酷な時代背景があるもののお金に目のくらんだ夫。見えているはずなのに、見えるべきものが見えず、見えたときの衝撃。お互いが被害者とは容易に言えない状況。最後のシーンでロナルト・ツェアフェルトが見せる表情とニーナ・ホスが歌う「スピーク・ロウ」の歌詞、そして決意。
厳しい状況下で何を優先するのか、希望とは何なのか。


見たいと思っていたものの、どこでいつから公開されているのかも調べていない私だったので、映画の背景(アウシュヴィッツ強制収容所の話は有名だけれども・・・)も中途半端で、見終わった後には「え?終わっちゃったの?」と正直思ってしまったのです。


回答を急ぐあまり、答えを見ていたい、すぐに教えて欲しいと思う最近の心癖が出てしまって・・・。
でも、あとでよくよく思い起こすと納得いく部分あり、切なさあり。そしてあのエンディングのあと、女は希望を見出せたのかと思えるすばらしい映画だったとじわじわ思える傑作。


パンフレットにある妻の顔は二コール・キッドマンのようであり、夫の横顔はレオナルド・ディカプリオのようであり、完全に”ジャケ買い”だったのですが・・・・。完全にノックアウトです。


原題は「Phoenix」。不死鳥のようによみがえった女の希望は夫であったが、それを失った後の女は一体どうしたのだろうか・・・。そして男は今後どうしていったのだろうか。
そして、実際にアウシュヴィッツから生還した人たちはどうやって自分を取り戻し、生きていったのだろうか・・・。
そんな空想をしながら今日も一日過ぎていくのでした。


参照:
あの日のように抱きしめて

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